東京地方裁判所 昭和63年(行ウ)93号 判決 1992年11月30日
東京都世田谷区南烏山五丁目三三番二号
原告
宮崎トシ子
右訴訟代理人弁護士
坂本福子
同
米倉勉
同
鶴見祐策
東京都世田谷区松原六丁目一三番一〇号
被告
北沢税務署長 平林喜好
右指定代理人
門西栄一
同
津田真美
同
川上建夫
同
松倉文夫
同
竹下徹
主文
一 原告の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第一原告の請求の趣旨
被告が原告に対して昭和六二年三月一四日付けで原告の昭和五八年から昭和六〇年までの所得税についてした各更正のうち、昭和五八年分について所得金額二〇二万一〇〇〇円、納付すべき税額一二万七二〇〇円、昭和五九年分について所得金額四一四万八七〇〇円、納付すべき税額三七万四三〇〇円、昭和六〇年分について所得金額四六四万五〇〇〇円、納付すべき税額四一万八〇〇〇円をそれぞれ超える部分及び各過少申告加算税賦課決定を取り消す。
第二事案の概要
原告は、印刷業を営む白色申告者であったが、被告が原告の仕入原価及び外注費をもとにいわゆる同業者比率によって原告の昭和五八年分から昭和六〇年分(以下「本件係争年分」という。)までの売上金額及び一般経費を推計によって算出して請求の趣旨記載の所得税の更正(以下「本件各更正」という。)をしたのに対し、右の更正は推計の必要性も合理性もなく、また、被告が推計によって算出した所得金額が原告の実際の所得金額を上回っているとの実額の主張をして、本件各更正のうち申告額を超える部分及び請求の趣旨記載の各過少申告加算税賦課決定(以下「本件各決定」という。)の取消しを求めているのが本件である。
一 本件処分の経緯等(この事実については当事者間に争いがない。)
原告は、その所在地において印刷業を経営するいわゆる白色申告の個人事業所得者であり(ただし、昭和六二年に有限会社みやざき印刷が設立され、原告の事業は法人化された。)、原告の長男である宮崎隆一(以下「隆一」という。)が原告の事業を代理し、経営していた。
原告の本件係争年分の各申告とこれに対する各更正及び各決定の経緯は、別紙一「課税処分の経緯」のとおりである。
二 争点
以下に述べるように、被告は、原告が税務職員の税務調査に協力せず、再三にわたって帳簿書類の提示を求められたにもかかわらず、これを提示しなかったので、やむを得ず反面調査により原告の仕入金額及び外注費を把握した上、類似規模の同業者の平均仕入れ・外注費率及び平均一般経費率を求め、これらを基礎として推計によって本件各年分の所得金額を算出したものであるから、本件各更正及び各決定は適法であると主張しているのに対し、原告は、帳簿書類の提示を拒否した事実がないから推計課税の必要性はなく、また、被告の平均仕入れ・外注比率の算出の根拠となった比準同業者と原告の営業形態とはかなり異なっているから推計の合理性も欠くものである等とし、さらに、申告額を下回る所得金額の実額を主張して本件各更正のうち申告額を超える部分及び各決定は違法なものであるとして、その取消しを求めている。
したがって、本件の争点は、被告のした推計課税について必要性及び合理性が認められるか否か、さらに、原告の所得金額の実額主張が認められるか否かの点である。
1 本件各更正及び本件各決定に対する被告の主張
(一) 本件課税処分に至るまでの経緯(推計の必要性)
(1) 原告から提出された本件係争年分の確定申告書には、収入金額と所得金額の記載はされていたが、必要経費の内訳や所得の計算過程が明らかでなく、また、原告の収入金額及び所得金額が年々増加し、その事業が好況であると認められるにもかかわらず、本件係争年分の申告所得金額が他の同業者に比して過少であるとの疑いがあったことから、各申告内容の確認のための調査を行う必要が認められた。
(2) そこで、被告所部係官である山崎厚国税調査官(以下「山崎係官」という。)及び池田守国税調査官(以下両者も「両係官」という。)が、昭和六一年七月二一日午前一〇時三〇分ころ、原告の事業所(以下「原告方」という。)を訪れ、原告に代わって対応に出た隆一に対し、本件係争年分の原告の所得税の調査に来たことを説明し、帳簿書類の提示を求めた。これに対し、隆一は、調査理由を具体的に明らかにするように求め、かつ、両係官が事前の通知なしに調査に来たことに抗議したので、両係官は、調査についての事前通知は税務調査を行う上での必要的な要件ではないこと、調査理由については、確定申告書には収入金額と所得金額が記載されているのみで所得金額の算出根拠が不明であったこと及び同業他者に比べて所得の割合が低いことを説明した。しかし、隆一は、調査に応じようとしなかったため、両係官はやむなくその場を辞去した。(以下、この時の調査を「第一回調査」という。)
(3) 次に、両係官は、あらかじめ隆一と電話で約束をした同月二九日午前一〇時三〇分ころ、再び原告方を訪れ、隆一に対し、帳簿書類を提示するよう求めたが、同人は、北沢民主商工会(以下「北沢民商」という。)事務局長である日置克之(以下「日置」という。)を同席させた上、具体的な調査理由の開示を求め、かつ、事前通知をせずに第一回調査がされたこと、第一回調査時に両係官の言動が乱暴であったこと及び第一回調査時に顧客が原告方に入ろうとするのを両係官が妨害したこと等について抗議した。両係官は、調査の理由については、前回の調査におけるのと同様の説明をし、事前に通知をするか否かについては、税務係官の合理的裁量に委ねられており調査はそのための必要的な要件ではないと説明した。さらに、営業妨害についてはその事実はない旨を回答した。しかし、隆一は、右の説明に納得せず、謝罪文を要求し、謝罪文が提出されない限り調査に応じられないと述べたため、両係官はその場を辞去した。(以下、この時の調査を「第二回調査」という。)
(4) さらに、両係官は、あらかじめ電話で通知した同年八月一九日午前一〇時三〇分ころ、原告方を訪れたが、原告方には日置ほか北沢民商の会員と思われる四名の者が同席していた。両係官は同人らに退席を要求したが拒絶されたので、やむなく同人らを無視して調査を進めようとしたところ、隆一は、事前通知なしの調査や調査理由の不開示についての質問を記載した申入書を読み上げた上、両係官に謝罪文の交付を要求し、さらに、帳簿書類が入っているらしい紙袋を持ってきて振りかざしたが、すぐに戻してしまい、両係官に見せようとはしなかった。そして、隆一は、両係官の発言をテープレコーダーで録音しようとしたので、両係官は、それを拒否し、このままでは調査続行は不可能であると判断して、原告方を辞去した。(以下、この時の調査を「第三回調査」という。)
(5) その後、山崎係官は電話で隆一に調査に応じるように説得したが、隆一はそれを拒否した。
(6) 以上のような状況のもとでは、実額によって原告の本件係争年分の所得金額を把握することは到底不可能であり、被告は、やむなく被告の調査によって把握した仕入れ及び外注費を基礎として原告の各所得金額を算定し、本件各更正及び各決定をしたものである。
(二) 事業所得の金額及びその算出根拠(推計の合理性等)
次に述べる推計方法によって、別紙二「事業所得の金額及びその計算根拠」のとおり原告の本件係争年分の所得(事業所得)を算出すると、同別紙のとおり、昭和五八年分は八〇八万二三一五円、昭和五九年分は一四二一万二一六三円、昭和六〇年分は一四二二万八一三六円となる。
(1) 売上金額(総収入金額)
被告が反面調査により把握した原告の本件係争年分の売上原価(仕入れ)及び外注費の実額の合計金額を、後記(4)のとおりの方法で抽出した比準同業者の事業所得に係る本件係争年分における売上金額に対する売上原価及び外注費の合計額の割合(以下「仕入れ・外注費率」という。)の平均値で除して売上金額を算出した。
(2) 一般経費
右のとおり算出した原告の売上金額に前記比準同業者の本件係争年分における売上金額に対する一般経費の合計額の割合(以下「一般経費率」という。)の平均値に乗じて一般経費を算出した。
なお、右の一般経費とは、売上原価、外注費、建物減価償却費、雇入費、利子割引料、地代家賃、貸倒金、固定資産除却損、繰延資産の償却費及び青色申告者に認められている各種引当金準備金等を除く必要経費のことである。
(3) 売上原価(仕入れ)、外注費及び特別経費(雇入費、地代家賃、借入金利及び建物減価償却費)
被告が反面調査によって把握した金額であり、その明細は別表1ないし6のとおりである。
なお、本件の推計では、仕入金額をそのまま売上原価としており、右売上金額の算出に当たっては、売上原価に年初と年末の棚卸資産の額を加算も減算もしていない。これは、原告が本件各更正及び本件の異議申立てのいずれの調査時においても、原告の仕入れに係る原材料の棚卸しについての資料を提出しなかったこと、原告の事業の種類、形態及び規模等に変化がなく、年初及び年末における棚卸資産の金額が変動する格別の理由がないことから、年初年末の各棚卸資産の金額を同額と認定したことによる。
(4) 比準同業者の抽出方法
比準同業者は、原告の住所地(納税地)を所轄する北沢税務署長が管轄する区域内及びその近隣の世田谷、玉川、荻窪、武蔵野、武蔵府中の各税務署長が管轄する区域内に事業所を有し、原告と同じ印刷業を営む個人事業者(ただし、印刷機を有する者)で、かつ、次の<1>ないし<5>のいずれの条件をも満たすものを抽出した。そして、この方法で抽出された同業者は、右区域において本件係争年分について、青色申告をしていた個人経営の印刷業者のすべてを対象として、事業規模及び業態が原告と類似するものと認められた者のすべてを抽出しているので、被告の恣意が入る余地は全くなく、その抽出は公平妥当なものである。
<1> 本件係争年分について青色申告の承認を受けている者
<2> 本件係争年分の仕入れ及び外注費の合計額が、原告のそれの半分以上二倍以下である者
<3> 年を通じて印刷業を営んでいる者
<4> 災害等により、経営状態が異常であると認められる者以外の者
<5> 税務署長から、更正又は決定処分がされている者にあっては、国税通則法又は行政事件訴訟法による不服申立て期間及び出訴期間を経過した者並びに当該処分に対する不服申立て調査及び訴訟が終結した者
右の方法により抽出された同業者の仕入れ・外注費率及び一般経費率の各平均値は別表7ないし9のとおりである。
(三) 本件各更正及び各決定の適法性
原告の本件係争年分の総所得(事業所得)の金額(別紙一)は、じずれも右推計課税による前記の金額の範囲内であるから、本件各更正は適法である。
また、本件各決定も、本件各更正により原告の納付すべき税額にもとづいて法所定の算出方法により過少申告加算税を算出したものであるから適法である。
2 被告の課税根拠に対する原告の認否及び反論
(一) 推計の必要性について
(1) 本件調査の経緯
本件調査の経緯については以下のとおりであって、隆一は調査を拒否していないのであるから、被告の行った推計課税はその必要性を欠く。
ア 第一回調査
両係官が昭和六一年七月二一日午前一〇時三〇分ころに原告を訪れたことは認めるが、隆一とのやり取りは否認する。隆一が両係官に「なぜ調査に来たのか。」と質問したのに対して、両係官は一切返答をせず、隆一に対して乱暴な言動をし、しかも、原告方に顧客が入るのを妨害したものである。
イ 第二回調査
両係官が昭和六一年七月二九日午前一〇時三〇分ころに原告方を訪れたこと、北沢民商の日置が同席していたこと、隆一が両係官に具体的な調査理由の開示を求め、かつ、事前通知なしに第一回調査を行ったこと、第一回調査時の両係官の言動が乱暴であったこと及び第一回調査時に顧客が原告方に入るのを阻止し原告の営業を妨害したこと等についての説明を求めたこと、両係官が調査の理由について確定申告書には収入金額と所得金額が記載されているのみでその算出根拠が不明であったこと及び同業者に比して原告の申告所得金額が過少であると認めたからであると説明し、事前通知については、通知をするか否かについては税務係官の合理的裁量に委ねられており調査のための必要的な要件ではないと説明したことは認めるが、その余は否認する。隆一は右の回答に納得はしなかったものの、領収書はあるから、まず、右の四点について話し合いを始めて欲しいと申し入れたが、両係官は今日は書類は見せてくれないのですねと返答するのみで、結局、上司と相談すると言って帰ってしまったものである。
ウ 第三回調査
両係官が同年八月一九日午前一〇時三〇分ころに原告方を訪れたこと、その際北沢民商の会員が同席していたこと、両係官が右北沢民商の会員に退席を求めたが右会員らは退席しなかったこと、隆一が事前通知なしの調査や調査理由の不開示についての質問を記載した申入書を読み上げたこと及び隆一が両係官の言動をテープレコーダーに録音しようとしたことは認めるが、その余の事実は否認する。両係官は従前の調査で不当な発言をしていない旨述べて隆一と論争となったので、同人が証拠を残すためテープレコーダーに録音しようとしたところ、両係官はそれを阻止し、辞去したのである。
エ また、その後、山崎係官から電話があったことは認めるが、その内容は、隆一に帳簿書類の提示を説得するというようなものではなく、他の方法をとる旨宣言するという一方的なものであった。
(2) 本件調査の違法性
国税通則法二四条の調査は、申告内容に誤りがあるとの合理的な疑いがある場合にのみなし得ると解すべきところ、原告は確定申告書の記載すべき欄にすべて記載をしていて、その所得金額の算出過程は明瞭であり、申告所得が過少であることはうかがわれなかった。また、調査の一手段である所得税法二三四条の質問調査権の行使も、その質問検査の対象が特定される等の具体的必要性がある場合に限って許されるものというべきところ、本件ではかような要件は充たしていなかった。すなわち、本件調査は客観的な必要性がないのに行われたものであるから違法である。
両係官は原告に事前通知をせず、調査理由も開示せずに第一回調査をしており、その上調査中原告方に顧客が入るのを妨害しているから、本件調査は、これらの点でも違法である。しかも、本件税務調査は北沢民商の組織を破壊する目的でその会員である原告に対して行われたものであるから、他事考慮に基づくものであって、結社の自由を侵害する違法なものである。
したがって、仮に隆一がかかる違法な調査を拒否したとしても、これによって何ら推計の必要性が基礎付けられるものではない。
(二) 推計の合理性につい
(1) 本訴において、被告が主張する、推計による所得金額は本件各更正段階において山崎係官が行った推計により算出された額とは大幅に異なっており、このことからみても本件推計は合理性がない。
(2) 被告は推計の基礎となった同業者について住所氏名等を明らかにしないため、その同業者の存在さえ明らかではなく、また、右のように本訴段階における推計額が本件各更正段階における推計額と大幅に異なることも合わせ考えると、その比準同業者の抽出は、恣意的にされたものであることがうかがわれる。
(3) そもそも印刷業にはいろいろな業態があるのに加えて、原告が従事していた印刷はオフセット印刷という特殊なもので、しかも、原告の業態は外注に依存する率が非常に高いために利益が低かった。そのような特殊性を考えず、単に「印刷業」という業者だけで抽出された比準同業者は原告との業態の類似性がなく、右同業者を基礎とした被告の推計方法は合理性を欠くというべきである。
(4) 各種の公的な統計の営業利益率と比べて、被告が比準同業者を用いて算出した数値に基づく営業利益率は過大であり、また、原告の事業は昭和六二年に法人化したが、その業態はほとんど変化しておらず、そこで算出される仕入れ・外注費率は本件係争年分とほとんど同じであるのに、被告が推計で用いた仕入れ・外注費率はそれと比較してかなり低率であり、この点でも被告の用いた推計方法は合理性を欠くというべきである。
3 原告の実額の主張
原告は営業収支をメモ帳等に記録しており、隆一が右の記録に基づいて作成した本件係争年分の月別収支一覧表(甲一一号証ないし甲一三号証等)によると、原告の事業所得等の実額は別紙三「原告主張の事業所得金額」及び別表10「一般経費の内訳」のとおりとなる。
4 原告の実額主張に対する被告の反論
(一) 原告は、異議申立てに係る調査において、月別収支一覧表及び領収証等の一部を提出したにすぎず、また、審査請求の段階において、経費に関する領収証等が存在していたにもかかわらず、これを提示しないまま原処分庁がした類似同業者の経費率の計算を争わず、しかも、本件訴訟においては国税不服審判所長に提出した月別収入一覧表の「その他」欄に対応する入金伝票を提示しない等、その都度対応を変えている。このような場合にも実額主張を許すと、課税庁にいったん推計課税をさせた上、異議申立て、審査請求、訴訟の各段階において、その都度推計による額と実額を比較して自己に都合のよい額のみを主張できる結果となって不当である。したがって、原告の本訴における実額の主張は許されないものと解すべきである。
(二) 原告は、本訴において、収入について、本件係争年分の月別収支を記載した表の収入欄(甲一一号証ないし甲一三号証の一部、以下「月別収入一覧表」という。)、取引先八件からの「月別領収金額」と題する書証(甲一〇号証の一ないし八、以下「月別領収金額証」という。)、八千代信用金庫烏山支店の宮崎隆一名義の普通預金元帳(甲一六号証並びに甲一七号証の一及び二、以下「本件預金元帳」という。なお、右各書証を集計したものが宮崎印刷八千代信用金庫入出金表(甲二二号証ないし甲二四号証)である。)を経費について、本件係争年分の月別収支一覧表(甲一一号証ないし甲一三号証のうち月別収入一覧表を除く部分、以下、右の月別収入一覧表と併せて「月別収支一覧表」という。)、昭和五九年分及び昭和六〇年分の領収証等(甲一四号証及び甲一五号証の各枝番号)を、さらに、月別収支一覧表を基に作成した本件係争年分の収支一覧表(甲一号証の一)を証拠として提出しているにすぎず、これらの書証のみでは、原告の実額の主張の裏付けとしては極めて不十分である。
原告は、現金出納帳等の基本帳簿書類の記録を全く行っておらず、しかも、請求書、領収書等の原始記録の保存、保管を行っていた上、原告が提出した資料等はそれ自体日々の取引が体系的、継続的に記録されていたものではなく、極めてずさんな経理がされていたといわざるを得ないことからも、原告の実額の主張の根拠として提出されている右月別収支一覧表の信用性は全くないといわざるを得ない。
さらに、月別収支一覧表の収入金額については、かなりの計上漏れがあるほか、その計上時期も不正確であり、月別領収金額証の記載とも一致していない。また、月別支出一覧表についても、昭和五九年分及び昭和六〇年分の月別収支一覧表と甲一四号証及び甲一五号証の各枝番号の領収証等とが符号しないものがある上、領収書には年月日の記載がないものがかなり含まれており、同表の支出時期の記載の信用性がない。
したがって、いずれにしても、原告の実額の主張を裏付けるに足りる証拠は何ら見当たらず、右主張が採用できないことは明らかである。
第三争点に対する判断
一 推計の必要性の有無について
1 本件調査の経緯
前記の当事者間に争いがない事実並びに証人山崎厚、同星野正雄及び同宮崎隆一の各証言によれば、以下の事実が認められ、証人星野正雄及び同宮崎隆一の各証言中右に反する部分は採用できず、他に右認定に反する証拠は見当たらない。
(一) 第一回調査
両係官は、事前の通知をせずに、昭和六一年七月二一日午前一〇時三〇分ころ、原告方を訪れ、原告に代わって対応に出た隆一に対し、本件係争年分の原告の所得金額の調査に来たことを説明し、帳簿書類を提示するよう求めた。隆一は、両係官に対し、事前の通知をせずに来たことを非難し、また、調査理由について具体的な理由を明らかにするように求めたので、両係官は、事前の通知は税務調査についての必要的要件ではないこと、調査理由については、原告の収入の伸びに対して所得の伸びが低いこと及び同業他者の収入に比較して原告の所得の割合が低いことを説明した。しかし、隆一は、その説明に納得せず、調査に応じる態度を示さなかったため、両係官はその場を辞去した。
(二) 第二回調査
その後、両係官は、隆一と電話で同月二九日午前一〇時三〇分から調査すると約束した上、同時刻ころ再び原告方を訪れたところ、北沢民商の日置が同席していたので、両係官は、隆一に同人を退席させるよう要求したが、聞き入れられなかった。また、両係官は、隆一に帳簿書類を提示するように求めたが、隆一は、具体的な調査理由の開示を求め、また、事前通知なしに第一回調査をされたこと、第一回調査時の両係官の言動が乱暴であったことを及び第一回調査時に顧客が入れないようにして原告の営業を妨害したことなどについて両係官に抗議した。両係官は、調査の理由については、第一回調査におけるのと同様の説明をし、事前に通知するか否かについては、担当の税務係官の裁量に委ねられており、調査のための必然的な要件ではないと説明した。また、営業妨害についてはその事実はないと述べた。しかし、隆一は、右の説明に納得せず、両係官に更に回答を求め、回答がされない限り調査に応じられないと述べたため、両係官はその場を辞去した。
(三) 第三回調査
さらに、山崎係官が同年八月一九日午前一〇時三〇分から調査する旨をあらかじめ隆一と約束した上、両係官は、同時刻ころ、原告方を訪れた際、北沢民商の会員が五名同席していた。そこで両係官は同人らに退席を要求したが、同人らは退席しなかった。そして、隆一は、テープレコーダーに録音を取りながら、事前通知なしの調査や調査理由の不開示についての質問を記載した申入書を読み上げ、両係官に謝罪を要求し、また、帳簿書類を入れた紙袋を持ってきて振りかざしたが、すぐに戻してしまい両係官に見せようとはしなかった。両係官は、右のような状況では調査続行は不可能であると判断して原告方を辞去した。
(四) その後、山崎係官は隆一に対して何回か電話をし、調査に応じるよう説得したが、同人から調査に応じる旨の回答は得られなかった。そのため、被告は本件各年分の原告の事業所得金額の推計の方法によって算出し、本件各更正及び各決定をした。
以上のとおり認められるところ、この事実によれば、隆一は、被告の所部係官の税務調査に当たり、本件係争年分の所得を実額で算定するのに必要な帳簿書類等の提示をせず、調査について非協力的な態度に終始し、そのため、被告において本件各年分の事業所得金額を把握することができなかったものというべきである。
2 本件調査の違法性の有無
(一) 原告は、本件調査は客観的な必要性がないのにされた違法なものであると主張しているが、本件各申告の必要経費の内訳が不明であったことについては当事者間に争いがない上、証人山崎厚の証言によれば、申告書の数値に千円以下の記載がなく、申告書だけでは原告の申告所得の計算根拠等が不明であったことが認められ、また、後に述べるとおり本件係争年分の原告の申告所得金額は他の同業者と比較して過少であったから、このような場合、被告が、原告の所得金額の確認のため税務調査をする必要性があると判断したことは相当というべきである。この点に関する原告の主張(前記第二の二の2の(一)の(2)の第一段)は、前提事実を欠き、又は独自の見解に立つものであって、採用できない。
(二) 原告は、本件調査は、原告に対して何ら事前の通知することなく、具体的な調査理由の開示もなしに行われたものであり、しかも、両係官は原告の営業を妨害しており、さらに、右調査は北沢民商の組織破壊を目的としてされたものであるから、違法であるとも主張している(同(2)の第二段)。
しかし、まず、税務調査について事前に通知を行うか否か、調査理由を開示するか否かは税務職員の合理的裁量に委ねられていると解されるところ、右合理性を欠くことをうかがわせる事情はない(のみならず、前記認定によれば、両係官は、本件調査に際して、その理由を相当程度開示しているところである。)から、右の原告の主張は採用できない。また、証人山崎厚、同星野正雄及び同宮崎隆一の各証言によれば、第一回調査において両係官が原告方を訪問中に原告方に来客があったが、両係官が先客でいるのでその者がすぐに立ち去ったことが認められるところであり、この事実をもって両係官によって営業妨害が行われたものとは到底いえない。そして、被告が北沢民商の組織破壊を目的としてその会員である原告の所得調査を行った事実を認めるに足りる証拠は何ら見当たらない。
したがって、原告の右主張は理由がない。
3 以上によれば、本件において、被告が推計の方法によって原告の本件各年分の事業所得金額を算出する必要があったものであり、その算出額に基づき本件各更正及び各決定をしたことに、何ら違法な点はないというべきである。
二 推計の合理性
被告は、原告の本件係争年分の仕入金額及び外注費の合計金額を基に売上金額を推計し、この金額から一般経費を推計して、原告の本件係争年分の事業所得金額を算出しているので、原告の実額主張との関連において検討すべき点を除き、まず、その推計の合理性の有無を検討する。
1 乙一号証の一ないし六および乙二号証に一ないし一四並びに証人川口尚一、同和田隆、同岩間昭夫、同一坂祐三、同門邦夫及び同清水守の各証言によれば、以下の事実が認められ、右認定を覆すに足りる証拠は見当たらない。
(一) 東京国税局長は、平成元年一月三〇日付けで、武蔵府中、武蔵野、世田谷、玉川及び荻窪の各税務署長並びに被告に対し、「税務訴訟に関する資料の作成及び報告について」と題する通達を発し、右各税務署管内に事業所を有している印刷業を営む個人事業者(ただし、印刷機を有する者に限る。)のうちから、本件各年分について、次の(1)から(5)までのすべての基準に該当する者全員(なお、(1)から(5)までの右各条件が本件係争年分のすべての年分に該当するのみならず、そのいずれかの年分に該当する者であっても、その該当する年分について抽出する。)の課税事績の報告を求め、右各税務署長は、これを受けて、東京国税局長に対し、右基準に基づき、その該当者として、別表7ないし9記載のとおり昭和五八年分につき合計一〇名、昭和五九年分につき合計四名、昭和六〇年分につき合計四名を比準同業者として、その課税事績を報告した。
(1) 本件係争年分について青色申告の承認を受けている者
(2) 本件係争年分の仕入れ及び外注費の合計額が、原告のそれの半分以上二倍以下である者
(3) 年を通じて印刷業を営んでいる者
(4) 災害時により、経営状態が異常であると認められる者以外の者
(5) 税務署長から、更正又は決定処分が行われている者にあっては、国税通則法又は行政事件訴訟法による不服申立期間及び出訴期間を経過した者並びに当該処分に対する不服申立て調査及び訴訟が終結した者
(二) 本件係争年分についての比準同業者の課税事績は、別表7ないし9記載のとおりであり、これに基づき本件係争年分の平均仕入れ・外注費率及び平均一般経費率を算出すると、右各表平均値欄のとおり、それぞれ、昭和五八年分については、五二・六八パーセント及び一五・三三パーセント、昭和五九年分については、五六・三五パーセント及び一二・二四パーセント、昭和六〇年分については、五九・八一パーセント及び一一・六五パーセントとなる。
2 右認定事実によれは、原告の売上金額及び一般経費を算出する目的で被告が選定した比準同業者の選定基準は、業種の同一性、事業所の近接性、事業規模の近似性等の点において、同業者の類似性を判別する要件として合理的なものであって、右同業者の選定に当たって、前記各税務署長の恣意が介在する余地も認められず、また、右各比準同業者は、いずれも年間を通じて事業を継続する青色申告者であって、その申告が確定していることに照らすと、その仕入金額等の算出根拠となる資料の正確性も担保されているものということができる。
そして、選定された同業者の数は、昭和五八年につき一〇名、昭和五九年分につき四名、昭和六〇年分につき四名であり、そのいずれも同業者の個別性を平均化するに足りる選定件数であるということができる。
3 これに対し、原告は、被告が本訴で主張している事業所得金額が更正時と異なっているから、このこと自体からも本件の推計は合理性を欠くといえる上、比準同業者の抽出も恣意的にされていることもうかがわれると主張している(前記第二の二の2の(二)の(1)及び(2))。しかし、本訴で更正時の推計額と異なる推計額による主張がされたとしても、そのこと自体で推計の合理性が欠けるわけではなく、また、本件において比準同業者の抽出が恣意的にされたことをうかがわせるに足りる証拠はないから、右の主張は採用できない。
また、原告は、印刷業は、業者により印刷の種類は様々であって、使用する印刷機械、設備、技術等によって、差益率や経費率には大きな差異が生ずるものであるところ、原告が行っている印刷はオフセット印刷という特殊なものであって、しかも、原告の業態は外注に大幅に依存する特殊なものであるから、そのような点を考えず、単に印刷業であることにより抽出された比準同業者と原告との間には類似性がなく、被告の推計には合理性がないと主張している。(同(3))。しかし、過度に同業者の類似性を要求することは推計による課税自体を否定することになりかねず、所得税法が推計により課税することを認めている以上、業種、事業所所在地、事業規模等の基本的な要因において同業者の抽出が合理的であれば、業者間に通常存在する程度の営業条件の差異は、その所得率・経費率の平均値を求める過程で包摂され、その平均により捨象されると解されるところであり、原告の主張する事実は、証人沢田源徳及び同宮崎隆一の各証言に照らしても、なお、比準同業者の抽出の合理性を欠くに至らしめるような基本的要因とはいえないから、その主張は失当である。
さらに、原告は、各種の公的な統計の営業利益率や後年分の原告本人(法人化後も含む、以下同じ。)の申告金額における仕入れ・外注費率とを比較して、本件推計が過大であると主張している(同(4))。しかし、公的統計として原告が援用する甲二号証、甲三号証の一ないし三、甲四号証、甲五号証の一及び二並びに甲第六号証は、いずれも法人性の有無、事業規模、地域性等の基本的要因までもその全部又は一部を捨象しているので、必ずしも推計課税に使用するには合理性があるとはいえず、また、原告本人の後年度分についての各比率も、その数値自体的確な証拠により証明されたものとはいえない上、同一事業者であっても仕入れ・外注費率は景気の変動や市場の動向によって影響を受け得るものであるから、この数値と被告が推計に用いた平均仕入れ・外注費率の不一致をもって直ちに右推計が合理性を欠くものとはいえず、この主張も失当である。
4 以上によれば、別表7ないし9の平均仕入れ・外注費率及び平均一般経費率を適用して原告の本件各年分の事業所得金額を推計することは合理性があると認めることができる。
三 原告の実額の主張について
1 原告は、本訴において、本件係争年分の所得金額は実額で把握すべきであり、被告の更正による本件係争年分の所得金額は、別紙三の実額に比べて過大であると主張しているところ、被告は、前記第二の二の4の(一)のとおり、本件においては、原告が実額主張することは許されないと主張する。しかし、実額課税と推計課税の別は、所得の認識を直接的な資料で行うか間接的な資料で行うかという認識方法の差にすぎず、両者の場合で異なった内容の課税標準が定められているわけではない上、本件のような場合において所得額の認定資料に制限を加えるべき実定法上の根拠にも乏しいことにかんがみれば、仮に被告の主張するような事情があったとしても、そのことから本件において原告が実額の主張をすることが許されなくなるものとは解し難い。したがって、被告の右主張は採用できない。
2 売上金額について
原告は、本件係争年分の売上を別紙三の売上金額欄記載のとおりであると主張し、右売上は、本件係争年分の月別収入一覧表、取引先八件からの月別領収金額証、本件預金元帳等により認定できるとしている。
この点に関し、証人宮崎隆一は、月別収入一覧表は、原告自身が、毎日の営業の中で、取引の都度メモ等によって記載した収支記録に基づいて、隆一が各年分をその翌年の二月ころにこれを取りまとめて月毎の一覧表にしたものであるから、その数値は信頼できるものであり、そのことは月別領収金額証及び本件預金元帳からも裏付けられる旨の証言をしている。
しかし、売上金額が課税庁の推計により算出されたことに対し、所得の実額を主張して右推計額を争う場合には、その主張する売上金実額が売上げのすべてであることについて、実額を主張する側に立証責任があるものと解される。しかるに、本件においては、原告も認めるとおり、原告は現金出納帳、売掛金台帳等の売上げを記録した帳簿書類を作成、保存しておらず、また、月別領収金額証もすべての取引先からのものではなく、さらに、原告は売上げの原始記録である請求書及び領収証控え等もすでに廃棄しているから、本訴において、月別収入一覧表はもとより、月別領収金額証及び本件預金元帳についても、そこに記載された収入金額が原告の売上げのすべてであることを検証することは不可能であるといわざるを得ない。
そうすると、原告主張の売上実額については、これを認めるに足りないこととなる。
四 原告の事業所得の算出
右によれば、原告の売上金額については推計によって算出せざるを得ないところ、以下、各費目の金額を認定して、原告の事業所得を算出する。
1 仕入金額
仕入金額は、昭和五八年度分及び同六〇年度分の原告の主張する実額が被告主張額よりも高く、原告の主張する実額を基礎として推計により所得を算出すると、かえって、原告の主張に基づく方が所得金額が高くなるから、昭和五八年分について一一一九万九五一三円、昭和六〇年分について一七一二万五〇七二円の各限度で当事者間に争いがないこととなる。昭和五九年分について原告は、被告主張額一七三八万〇四〇六円より一万五七八九円少ない額を主張し、その証拠として月別支出一覧表並びに昭和五九年分及び昭和六〇年分の領収証(甲一四号証及び甲一五号証の各枝番号)等を提出しているが、原告の仕入金額がこの主張額のみであるとは認められないことは前記三の2で判示したところと同様であり、乙三号証から乙七号証によれば、同年分の仕入金額は被告主張額のとおりと認められる。
2 外注費額
原告の実額主張はいずれも被告主張額よりも高く、右1で判示したところと同様、昭和五八年分について一六七三万八六一二円、昭和五九年分について二四四四万五八一八円、昭和六〇年分について三一八六万八七三八円の各限度で当事者間に争いがないこととなる。
3 売上金額及び一般経費
被告の主張する推計の方法が合理的であることは前記二で判示したとおりであるから、推計の基礎となった仕入金額及び外注費が被告主張額どおりであることが認められれば、売上金額及び一般経費が被告主張のとおり認められることとなるところ、右1及び2のとおり仕入金額及び外注費額が被告主張額のとおりであることが認められるから、売上金額は、昭和五八年分が五三〇三万三六四六円、昭和五九年分が七四二二万五七七四円、昭和六〇年分が八一九一万五七四九円となり、一般経費は、昭和五八年分が八一三万〇〇五七円、昭和五九年分が九〇八万五二三四円、昭和六〇年分が九五四万三一八四円となる。
4 特別経費
(一) 雇人費
雇人費は、昭和五八年分が八一九万円、昭和五九年分が八三一万円であることについては当事者間に争いがなく、昭和六〇年分について、原告は被告主張額八三四万円より五万六二〇〇円高い八三九万六二〇〇円であると主張しているが、原告作成の給与支払報告書(乙三四号証)によれば、被告主張額のとおり支出されていることが認められる。これに反する原告の主張に沿う証拠は隆一の作成した昭和六〇年分の月別支出一覧表しかなく、この書証中雇人費に関する記載については、これを裏付ける原始記録等が提出されておらず、その信用性は低いといわざるを得ないから、右一覧表をもって右認定を覆すことはできない。
(二) 地代家賃
被告は、地代家賃について、昭和五八年分及び同五九年分が各二五万二〇〇〇円、同六〇年分が二七万六〇〇〇円であると主張しているのに対し、原告はそれより低い金額を主張しているので、被告主張額を明らかに争わないものと認められる。
(三) 借入金利費
昭和五八年分について二三万四一四九円、昭和六〇年分について二七万七三〇九円であることについて当事者間に争いがない。原告は昭和五九年分について被告主張額三〇万八〇〇三円より六五五円高い三〇万八六五八円であると主張しているが、乙三七号証及び乙三八号証によれば、被告主張のとおり八千代信用金庫烏山支店に三八万七二三六円の利息を支払い、東京都から利子補給金七万九二三三円を受け取り、同年分の借入金利費は被告主張額のとおりとなることが認められるのに対し、原告の主張を裏付ける証拠は昭和五九年分の月別支出一覧表しかないから、右(一)と同様右の認定を覆すに足りる証拠はないこととなる。
(四) 建物減価償却費
昭和五八年分については二〇万七〇〇〇円、昭和六〇年分については二五万七三一〇円であることについては当事者間で争いがない。昭和五九年分については、原告は被告の主張より五円高い二三万二一五五円を主張している。
5 事業所得金額
右のとおり認定された額(ただし、昭和五九年分の建物の減価償却費については、原告主張の二三万二一五五円)に基づいて計算すると、事業所得金額は昭和五八年分が八〇八万二三一五円、昭和五九年分が一四二一万二一五八円、昭和六〇年分が一四二二万八一三六円となる。
5 結論
以上のとおり、本件推計課税においては、推計の必要性及び合理性が認められ、昭和五九年分の建物減価償却費について原告主張額を採用したとしても、本件各更正の事業所得金額は右推計により算出した本件係争年分の事業所得金額の範囲内となって、これを上回るものではない。したがって、本件各更正は何ら違法ではなく、また、これに伴う本件各決定にも違法はないから、原告の請求はいずれも棄却すべきこととなる。
(裁判長裁判官 秋山壽延 裁判官 原啓一郎 裁判官 近田正晴)
別紙一
課税処分の経緯
昭和五八年分
<省略>
昭和五九年分
<省略>
昭和六〇年分
<省略>
別紙二 事業所得の金額及びその計算根拠
(一) 昭和五八年分 八〇八万二三一五円
右金額の根拠は次表のとおりである。
<省略>
(二) 昭和五九年分 一四二一万二一六三円
右金額の根拠は、次表のとおりである。
<省略>
(三) 昭和六〇年分 一四二二万八一三六円
右金額の根拠は、次表のとおりである。
<省略>
別紙三 原告主張の事業所得金額
原告が主張する事業所得金額(<6>=<1>-(<2>+<3>+<4>+<5>)及びその内訳は次のとおりである。
(一) 昭和五八年分 二一四万四〇八三円
<省略>
(二) 昭和五九年分 三七六万三一〇一円
<省略>
(三) 昭和六〇年分 四五二万八三〇九円
<省略>
別表1
仕入金額明細
<省略>
別表2
外注費額明細
<省略>
別表3
雇人費明細
<省略>
別表4
地代家賃明細
<省略>
別表5
借入金利子明細
<省略>
別表6
建物減価償却費の明細
(昭和58年分)
<省略>
(昭和59年分)
<省略>
(昭和60年分)
<省略>
別表7 比準同業者(昭和五八年分)
<省略>
別表8 比準同業者(昭和五九年分)
<省略>
別表9 比準同業者(昭和六〇年分)
<省略>
別表10 一般経費の内訳
1 昭和58年分
<省略>
<省略>
2 昭和59年分
<省略>
<省略>
3 昭和60年分
<省略>
<省略>